氷雨降る、月に叢雲

世の理(ことわり)に疲れたならば

力を貸そう旅の者よ

完全なものはここにはなく

ただ命があるだけの今

契りは固く情には厚く

望むものなら聞き入れよう

爆ぜる猫耳　猫の導き

約束の場所　貴方はいない

忍ぶ乙女の秘め事

語らずとも耳が語る

隠しても隠し切れぬ

その真実をいずれ知るでしょう

さざめけ風よ嵐の前

氷雨降る心模様に

逃れられぬと口にするほど

私の心は惹かれてく

それでも貴方の側には

私が必要ですか

底知れぬ術で私を惑わす

貴方をもっと知りたい

容易き道に反したならば

合縁奇縁強き者よ

さすらう日々に虚ろう夢

導かれるまま歩むだけ

果て無き空に狼煙を上げて

運命の焔を燈しては

揺らぐ猫耳　猫のひらめき

月の影にて鬼となりましょう

踊る天の羽衣

千代に八千代に咲き誇る

刹那に吹く疾風(かぜ)のように

高みを目指し　さぁ死合いましょう

篠(しの)突け雨よその心に

穿(うが)てその意志は鋭く

ともに戦いともに笑い

守るべき貴方を知った

剣(つるぎ)舞う姿は優雅に

命の火　燃やしながら

誓いに染まった剣士の証を

己が刃で語りたい

ハラリ淡い心が

胸に芽生えだしてく

寄添う月　水面に浮かび

幾千の夜越えて

迷いのない覚悟は

貴方を守る牙となる

輝け華よ星のごとく

朧(おぼろ)に咲き乱れてゆけ

つらく険しき修羅の浮世に

私の背中を預けます

勝どきの声は高く

こぼる涙一雫

強くやさしき孤独を貫く

貴方と生きたい