収束福音

鏡の中遠くある空 赤く染まるならば まだ霞は深く

足跡さえ見えないままで 影に手を引かれて 嘆きの路を歩く

たったひとつの果実に込めた 甘美なる血は零れて消えて

目で追うだけで立ち尽くす皆 崩れ行く何もかも抱えて

抱きしめて 薄れゆく日々を 解けて消えてしまう前に

変えられぬ運命があるなら 鏡に星空を刻もう

硝子に咲く青の光が ただ泡沫ならば また答えも遠く

足元さえおぼつかなくて 風に揺さぶられて 夢幻の橋を渡る

たったひとりで掴んだ糸は 震える手さえ耐えきれなくて

手を伸ばしても 届かない空見上げ墜ちる

常闇の彼方へ

受け止めて 刻まれた罅を 融けて見えなくなる前に

叶わない希望があっても 巡り来る白に写そう

なくせない思い出は黒に染まり 虹に生まれ変わる

黄昏の１を辞するなら 標に導かれ歩こう

抱きしめて 薄れゆく日々を 解けて消えてしまう前に

変えられぬ運命があるなら 掻き消せぬ白を刻もう

託せない想いまで黒に沈み 虹を描くのなら

始まりの０に還るまで 目を閉じ揺り籠で眠ろう