累

朝になっていた

 白が瞼を染めた

 六畳 独り何かを見てる

 何かを探している

 大人になっていた

 あの時在った光も

 希望も温もりも愛憎も

 今は思い出の中

 隣にいた筈の君を巡る

 それだけあれば良かったって

 何度も懐古に潰されんだ

 焦がれていた日々の隅っこで

 笑ってた 笑ってたから

 また君を描く

 ただ日々を綴る

 まだ忘れないよ

 もうわかってたけど

 戻らない日々

 漁り続けても

 思い出にだってさ

 底は見えんだよ

 間違ってないだろう

 夜になっていた

 また手紙を眺めた

 言葉で輪郭をなぞってる

 ただそれだけの日々だ

 わからないんだよ

 わからないんだよ

 僕の人生これで良かったか

 何も無いんだよ

 翳んだままの音の葉だけが

 消せないんだよ いつまででも

 何も出来ない無能者の僕は

 君の想いだけが見たい

 また君を描く

 ただ日々を綴る

 まだ忘れないよ

 もうわかってたけど

 戻らない日々

 漁り続けても

 思い出にだってさ

 底は見えんだよ

 さよならだ全部

 何も出来ないまま

 雨が止んだ時、忘れていくんだ

 もう息を止めよう

 痛みだけがただ、

 残ったままじゃほら

 笑えないよ。