木本梨絵さんのこと

木本さんの推薦文を書かせて頂けるのは、とても光栄でエキサイティングであり喜びです。

彼女との関係は、生徒と先生、新入社員と代表、先生同士であり同時に刺激的な友人です。

現在、女子美術大学の教授を務めていますが、来年からの非常勤講師に真っ先にお願いに上がったのが彼女です。

最初に武蔵美で学生の彼女に出会った時から衝撃でした。

とにかく、課題や自分や他者に向けての興味の熱量がすごい。

そして発想はユニークで成果物の完成度が異常に高い。

それは現在でも一貫して同じです。

誰かが願うと、いつの間にか程よく大きく美しい竜巻が、音楽を奏でながら現れ、去っていく。

そのあとには、誰かが願っていた想いが、それ以上のものとしてそこに現れている。

そしてその美しき竜巻を目撃した人たちは、また出会いたいと願いをかける。

私がそのうちの一人であり、今、第一線で活躍しているクライアントやクリエーター、或いは一人の名もなき少女などが求愛するのです。

私の会社は、自社事業をベースにクライアントワークを行なっていますが、彼女のスタンスも同様です。

私が今見ている彼女の学生への接し方は、その愛情と責任感が凄まじく、クライアントでも学生でも、そこは同じです。

そして同時に、自らに向けてのあくなき探究と実践は、さながら幅広く実験するアーティストの様であり、起業家です。

そして、彼女の興味の基となっているのは、自然、文化、旅であり、今回の進路が、人類学であるというのは、とても興味深いことです。

日本や私たちが今まで過ごしてきたのは、経済が主体の環境でした。

しかし、これからは、経済は一手段に過ぎず、我々は自然主体の中で、人間がどうあるべきか、人間の一人ひとりの生き方は、幸福はどうあるべきかという、太古からあるはずの本質的なテーマに、ちゃんと気付いて実践していけるか、を問われていきます。

御校で、自然と人類の歴史や事実を学び、それをどうこれからの未来の私たちの興味や実業に活かしていけるのか。

彼女の美しき竜巻が、これから世界でどのような美しき跡を残していくのか。

その未来が楽しみでなりません。

木本梨絵を強く推薦します。

2024年2月

雪の北軽井沢で暖炉にあたりながら

スマイルズ代表

女子美術大学教授

遠山正道