常照皇寺、御車返し

やまざとに　さいた　haるの　きおく

であいわ　かぜの　いたずらだった

しろい　haなびら　まいこの　えがお

さくらの　した　ゆめが　めぶいた

にげられない　あしたが　あると

あなたわ　しずかに　わらったね

その　えがおが　せつなすぎて

むねの　おくが　きしむようで

さくらよ　さくらよ　ほほえんで

ふたりを　つつんだ　あのよるを

ゆめの　ように　あわく　さいて

きえて　ゆくのを　みおくった

だれも　しらない　よるの　ひみつ

ことばに　ならない　こい　ごごろ

てを　つなぐたび　ときが　とまり

みらいより　いまを　しんじてた

かなわない　こいでも　いいと

あなたの　めが　いっていたね

その　やさしさ　うつくしすぎて

わたしわ　ただ　なみだした

さくらよ　さくらよ　さきほこれ

haるを　こえても　そこに　いて

わかれさえも　うけとめて

きせきの　ように　さいたまま

ゆめも　あいも　ひとえと　やえ

おなじ　えだに　さいた

haなよ

あなたと　みた　さいごの　よる

いまも　むねで　ゆれている

さくらよ　さくらよ　ほほえんで

もう　あえなくても　おぼえてる

あなたと　いた　あの　ばしょが

わたしの　はるの　すべてだった

しずかに　かぜが　haなを　さらう

さくらよ　さくらよ　わすれないで

すれちがった　ふたりの　ゆめ

あしたなど　いらなくて

あの　しゅんかんが　ほんとうだった

とうきょうの　そらわ　たかすぎて

あなたの　こえが　とどかない

それでも　まだ　うたっている

さくらの　ように　さきたくて

ときわ　ながれ　きせつわ　めぐり

でも　あの　haるだけわ

こころの　おくで　さきつづける

みくるまがえしの　あの　haなが

さくらよ　さくらよ　だきしめて

いえなかった　こいごころの　すべて

てのひらから　こぼれた　haなびら

うたに　のせて　もう　いちど…

しずかに　まくが　おりていく

haるの　きせきが　そっと　ゆく…