風はひらり

心が空っぽになっていく

川沿いの散歩道はひっそり

影がもう長くなっている日暮れ

西の方 夜の匂いの茜色

呼吸する胸が上下する

一歩歩くたび 足が軽くなる

冷たい飛沫 夕の光

吸い込んで駆けてく風はひらり

踊って

それからあなたはそれに気づく

立ち止まり視線を宙に結ぶ

夢から覚めるときの感じ

ここに立っていることを思い出す

冷たい飛沫 夕の光

吸い込んで駆けてく風はひらり

冷たい飛沫 夕の光

吸い込んで駆けてく風は

翻り髪を揺らして笑う

心をどこか遠くへ攫って去っていく