素晴らしき日々

午後四時 喫茶店で紅茶を頼む

普段となんら変わらない暖かい湯気

鳴らない携帯電話 机の右に置いた

今日は少しだけほろ苦い味

気付けば今の今まで君の隣には

不釣り合いな人が居たんだよ

今頃はもう多分

僕の知らないとこで

既に一歩を踏み出してるかな

タイムマシーンがあるなら

昔に戻って

別れの芽を摘むのにな

そしたらその時はまた違う形で

別れてしまうのかな

何気ない一日が大切な日々だった

今思えば夢のようだった

タイムマシーンがあっても

もう元には戻らない

素晴らしき日々

なにもなく黄昏る

土曜日の夕暮れ

埋まらない今後の予定欄

ぬるくなった紅茶の

甘く苦い口当たり

今の気持ちを表してるかのよう

色のないこの街も空を切る右手も

笑顔の消える理由

何気ない一日が

二つとない日々だった

それを僕はまた探してる

靴紐をもう一度締め直し立ち上がる

素晴らしき日々

期待してたってもう元には戻らない

君の未来には僕は

何処にもいない

楽しすぎた思い出を

それだけを抱きしめて

嫌でも進まなきゃならないんだ

何気ない一日が

夢のような日々だった

今なら言える幸せだった

深く息を吸い込んで

変わらない日々と知る

素晴らしき日々

午後五時 喫茶店で紅茶を仰ぐ

普段となんら変わらない温かい陽に

机の右側から

「今日逢おう」の文字が出る

1人じゃないことを僕は知った