Lyrics
この季節になると思い出す
遠い夏の日のこと
迷子みたいにあぶれた世界で
彷徨うふたりきり
拠り所のない狭い世界は
僕たちには億劫だったけれど
ふたり放課後の帰り道
どこまでも行けるような気がしていた
辿った今日のこと
些細な暮らしのこと
他愛もない話を
いつまでも交わしてゆく
しばらく歩いた頃
だんだん近づいてくる
潮風の匂いが鼻をくすぐる
そんな夏を思い出す
揺れる風ひとつ頬を掠める
そんな夏を思い出す
錆びたガードレール
湿った防波堤
少し払って座り込んで
ぼうと眺めた水平線
少なくなる言葉
でも心はずっと動いている
ふと夕暮れに照らされた
あなたが目に映る
美しくて息を呑んでしまう
橙のカーテン
別れのチャイムの向こう
他愛もない話を
繰り返し思い出して
また明日もこうやって
ふたりでいられるかな
そんな事を思いながら
いつまでも暮れる陽を眺めていた
ふと追憶に耽ると
確かに煌めくのは
その記憶ばかりなんだ
あなたはどうだろうか


