Clambon

もっとやさしい 深い キスをして

海みたいに しずかにねむるの

プランクトンたべて

暗くてみえないね

めだまはいらないね

ひとりはこわいね

きみは そこにいてね

流されて またね じゃあね

雪のひとひら くじらのこえが

ぼくらを誘い出す プロローグ

いまなにしてる？ んー

この声届いてる？ おーい

それともねむってる？ すやすや

鼻歌歌ってる？ ふーん

なにもわからない

やさしいあの子の歌声が

風とともに朝を呼び込む

くら くら くら くらげが

ゆら ゆら ゆら ゆら ゆられて

きら きら きら きら きらめく

水面に お月さまをみつけた

あわ あわ あわ あわつぶ

虹色にひかるオイル

もや もや もや もやのなかから

あれは幻の幽霊船

ヨーホー ヨーホー ヨーホー

みつけたよ 海底鬼岩城

縞模様のパジャマの少年は

たかく たかく たかく 空に昇って

20億光年 さらにもっと先

わたあめの星の王子さまになった

そこでは毎日が夢のよう

だけどある日 雨が降ってとけてしまった

さよなら さよなら らららららら

涙が るらるら るら りりりり

虫たちがないてる

夜空のむこうがわ

誰も気づかない瞬間に

宇宙がふわっとふくらんだ

もっとやさしい 深い キスをして

海の底でしずかにねむるの

プランクトンたべて

暗くてみえないね

めだまはいらないね

ゆびもいらないね

あしもいらないね

くちも はなも みみも いらないね

ぜんぶがなくなったとき

かぎりなく ぜろにちかいとき

わたしたちは はじめて

ひとつのまるになるの

なにもできなくて かわいいでしょ

だす ても あしも ないでしょ

ぴんく色した やわらかなかたまり

あたたかな鼓動がきこえた

ころ ころ ころ ころ ころがってく

もろ もろ もろ もろく くずれさってく

砂ぼこり 昼下がりも

蝉しぐれ 夕焼けも

からっ風 ひとり帰り道も

真新しい銀世界も

もっと優しい 深い キスをして

海みたいに しずかにねむるの

プランクトンたべて

暗くてみえないね

めだまはいらないね

ゆびもいらないね

あしもいらないね

みみも はなも くちも いらないね

きみは そこにいてね