厭世

かわいい女の子　俺の心を乱させないでくれ

斜め後ろから見れば不細工で　あってくれ

アイドルソングが流れる商店街を　杖ついた老婆が通っていく

100歳になったって歌っていたいって　アイドルが歌う

時間は容赦なく　僕らを溶かしていく

後悔も誤ちも現在も　どうしようにもできないまま

肉体だけ腐らせていく

高円寺の路上で　寝そべる勇気もなく

俺は鳩を眺め　燃えカスになっていく

もうなんにも見たくない　全て灰色になれ

さよなら現世よ　僕は風になります

寂しくなって君と話しても　心から満たされることはなく

ただ空気を吸い込み　乾いた笑い声に変えるだけ

澱ませたまま良い日も　悪い日も すぎていく

いつかのあの歌が美しくて　儚くてまた生きたくなってくる

いくら街を歩いても　消えないな あてもなく

歩き続ければ　続けるほど腐ってく

渋谷の真ん中で　雨空を眺めてる

都会に降る雨は　意味もなく邪魔なだけ

月島を結ぶ橋の上でぎこちなく　風をうけ

このまま砂になって　どこまでも行きたい

もうなんにも見たくない　全て灰色になれ

さよなら現世よ　僕は風になります