「あやめ」

冷たい空気 知らない音

ここはどこ

見えないよ 何にも 誰もいないよ

ゆらりゆられて止まったけれど

ここはどこ

離れてく足音がどこに行くの

あたたかい眼差し

ふわふわのぬくもりが

消えてなくなった

そばにもうなくて

どうして

両手を伸ばしても

届かない高い壁がある

鳴いて ただ鳴いて

鳴いて思いきり鳴いて

鳴きつづけ ここにいる

おいてかないで

1人はやだよ ここはどこ

ただ鳴き鳴いて 思いきり鳴いて

誰か気づいてほしい ここにいるよ

やわらかな光が

体を包んでいくよ今

知らないはずの両手なのに

なつかしさ感じた

連れてって

抱いてそう抱いて

抱いて その腕に抱いて

しがみつき 離れない

顔を見上げ一緒に行くよ連れてって

ここにいていいの 甘えてもいいの

ずっと離れないよ

「あやめ」

あやめあやめあやめというの

私の名

ちゃんと覚えるよ

優しい声で呼ばれたら

走ってく いつだって

あやめあやめあやめというの

私の名

頭を撫でてぎゅっと抱きしめて

ずっと離さないで

ここにいるよ