再生して

やめて、手を放して。

君はありふれた嘘。

架空の物語のすべて覚めて。

それでは他愛もない現実世界に戻るから。

『ページの向こうの神様

どこにもいかないで』

月が色褪せたから

虚構もなにもつけなくて。

好きな詞だとしても、

生活に埋もれた奇跡を忘れたから。

やめて、ペンを捨てて。

描きかけで投げないで。

終わる物語も、

蘇らせて。また再生して、ねえ。

『やめて、手を掴んだ。

これもありふれた嘘。』

『伸ばした腕も指も

すべてすべて

架空のものだよ。あんたが生み出した幻。

そのまま夢見るように。

何もないこの世界で。

架空の物語も

いつかいつか

忘れてしまうよ。無音を許してしまうんだ。』

星が色褪せても

君はかけがえのない空想。

だから繋ぎとめてよ

諦めた私を諦めないで。

『やめて。離れないで。

夢想で満たして世界を。

朽ちた地球で過ごす、

生活に紛れた奇跡を再生して。』

やめて、手を離して。

ぜんぶ通り過ぎたウソ。

祈りも呪いもなにも見えないから

触れられなくなったすべてを諦めたから。

（お伽噺も、

いつかいつか、

忘れてしまうよ、無音を許してしまうんだ。

架空の物語もすべて覚めて虚構のいらない現実世界に戻っても）

『過ごした世界を思い出して。』

別の世界で再び会えるよ！