ベルリン

大きな野球帽が隠す瞳で天気を読んでいる君はビードロの探索機

リュックにぶらさげた手書きのキーホルダー

気まぐれに笑う街と眠る電車の中

黒い影伸びる延長12回

カーブミラーを割る最後のファールボール

錯誤誓い綿実油

ベルリンの丘に小さく屈む知らない花を知ってる

オリオンのガムを噛んでいた

駐車場で君を見つけた

指輪のような街灯の下

塞ぎ込む相槌が不意に

踏んだ足を押しやり黙る

疑った今日と信じた昨日

オリオンのガムを噛んでいた

駐車場で君を見つけた

まだない愛の底ずっと待っていた