追憶プリマヴェーラ

いつからでしょう 舞い落ちる雪を

煩わしいと感じてしまったのは

優しい腕の中に抱かれて

幼い憧れを募らせるフェアリーテヱル

今ではもう思い出せもしない

お姫様のドレスとポエティックジャスティス

微睡みから醒めていくように

いつしかヒロインにはなれないことに気が付いた

どれだけ乞い願おうと時計の針は戻らずに

帰れないいつかの春 ただ想い焦がれるだけで

追憶にふける今この瞬間さえもやがて

手の届かない過去へ 記憶の彼方色褪せて

日々大きくなっていく歩幅で

何処へだって行けるようになったはずなのに

あの秘密基地、あのサンクチュアリ

いつしかもう二度とは辿り着けなくなっていた

どれだけ乞い願おうと 知識と記憶だけ詰めた

重くなった体では羽ばたけ無くなっていた

いつだったでしょう 舞い落ちる雪に

目を輝かせて戯れたのは

どれだけ乞い願おうと時計の針は戻らずに

帰れないいつかの春 ただ想い焦がれるだけで

追憶にふける今この瞬間さえもやがて

手の届かない過去へ 記憶の彼方色褪せて

有限の価値 知った時は既に

間に合わずただ過ぎ去る季節見送った