溢者

10代で知ったパンクロックってやつに心奪われ

意味もわからずアナーキーインザUKなんて叫び散らかした

20代で上京して志た音楽ってやつはうまくいかなくて

全部他人のせいにしてそれが正義だと思っていたんだ

「そちらの具合はどうですか お変わりありませんか？」と

過去の過ちや罪を素通りして尚 お前とは友達のままだった

「あの頃は」

東京に負けて 葛藤に負けて 欲望に負けて 絶望に負けて

憂鬱に負けて 愛情に負けて 悲しみに溺れ

お前が差し伸べたあの手を払うこと無く握れたのなら

よかったのにな

後悔や悲しみが俺の影を踏んで指さし笑っています

どうしようもなく腐っては溢れ落ちていく自堕落と

悲しみの果てに何があるかなんて誰も教えてはくれず

煙草のヤニで黄ばんだ壁を睨みつけながら塞ぎ込んだ

さよならベイビー 俺は俺でありたいだけなのに

なんの為に届かない歌を歌うのか

なんの為に俺はお前の名を叫ぶのか

音楽よ

昨日にも負けた 今日にも負けていた

明日にも負けた 負けることに負けた

歌にも負けた 大人にも負けた

そして何より俺は俺に負けた

東京に負けて 葛藤に負けて 欲望に負けて 絶望に負けて

憂鬱に負けて 愛情に負けて 悲しみに溺れ

お前が差し伸べたあの手を払うこと無く握れたのなら

よかったのにな

よかったのにな