微睡み

誰も誰も気づかないよ

全てがもう終わったこと

誰も誰も気づかないよ

あの子はもういないこと

泣いて笑って過ぎた日を

上書きしてはまた消して

大丈夫って過ぎた日を

赤で消して笑った

あなたの名前を

思い出すころには

花が咲き乱れて

僕はもうここにはいられない

誰も誰も気づかないよ

孤独はもう終わっていること

愛でさえ形を変えて

思い出すら嫌って嫌って

言葉なんてもう生まれぬように

抱きしめた

あなたの温度を

思い出すころには

花は散りそれでも

僕はまだここに立っていた

誰が誰のためを想い消え去っていった

風がなびき自分の小ささを思い知った

風に揺れるさくらも

せせら笑う水面も

少し寒い朝日も

みんな君のせいだ

変わらないで街並み

映さないで木漏れ日

泣いていたのかな

嗚呼