まどろみ

ねこはひなたgrooming

いぬはひとりsleeping

くるしい夢よ おこしてちょうだい

アラームじゃなくて

もっとあなたのことばで

わたしをつれさってほしいの

朝 ううん まだ夜

水 流れるシンク

転がる 空のペットボトル

ラベルが剥がれてる

べこぼこと音を立てて

二酸化炭素 吐き出したら

歩き出すの 部屋の中を

わたしがアリスでしょ

涙はとうに枯れたわ

海に沈むおばけは

憧れ 月のかけら

口にたくさん詰め込んでさ

ぶくぶくと音を立てて沈んでく

slow slow slowly

わたしのことも食べてよ

骨を噛み砕いてよ

堅いクッキーなんかよりも

ずっとずっとおいしいでしょ

きこえてくる慟哭

耳をふさぎたくなる

計り知れない悲しみを

比べていいわけがない

抱えきれないおもいは

空にまいてしまいなさい

乾いた皮膚に降り注いだ

やわらかな液体が

愛だと言うならば ここで

流るる川とともに生きていきたいわ

ねぇまだ もうかな

光が まぶた突き刺した

まぶしいよ まっしろで

あたり一面 消えちゃったみたい

あなたがふれたとこから

わたしのふちができたの

もっとなぞって もっとこすって

つぎはお願い いっしょに消えて

あとかたもなく うたかたにまう

いぬはlittle lady

ねこはBIG BABY

たのしい夢よ さめないでちょうだい

アラームのむこうに

消えるあなたの声が

わたしをつれさってしまうの

光 それはやわらかな毛

腕の中でもがいて

震える身体 包みこんだ

毛布ごと抱きしめた

ぷつぷつと音を立てて

針で空気つぶしたら

回りだすの 部屋の中を

あなたもアリスでしょ

涙でできた星で

いつかまた会えるなら

憧れ 海に咲く花

ひとつだけ盗んでさ

ふたりで育てて増やしたいの

glow glow glowing

あなたを食べたいのよ

ずっといっしょがいいの

痛みも 光も 忘れるくらいに 心地いいでしょ

意味のない道徳

目を背けたくなる

名も無い日々のぬくもりを

奪っていいわけがない

ぶかぶかの靴は脱いで

走って行ってしまいなさい

傷だらけ 足 そっとなでた

柔らかな草花が

愛だと言うならば 風と

揺れる木々の中で生きていてほしいわ

ねぇほら もうかな

闇が静かに覆い隠した

ねむたいよ まっくらで

あたりいちめん とけちゃったみたい

わたしがふれたとこから

あなたがここにうまれた

もっと笑って もっと怒って

さいごはお願い

いっしょに泣いて

いつまでもとなりで

ねむっていて