もういちど

もういちど、もういちどだけ

君を染められたのなら

今度こそは君の小さな手離さず

大切に抱きしめていたい

8月の照りつける

景色は揺らいで見える

ソフトクリームみたいな

白い雲をみつけた

あれは綿あめだよと

くだらないやりとり

かき氷食べながら

青い舌を見せたね

ペットボトルと

赤くなった肌に流れる

汗が思い出を

虹色にして見せた

君の瞳には夕焼けのオレンジ色が

変わりゆく僕らの

空に混じって溶けた

もういちど、もういちどだけ

君を染められたのなら

今度こそは君の小さな手離さず

大切に抱きしめていたい

君の髪が黒から白に

かわっていったとしても

瞼の裏に残るベージュの面影が

焼き付いて離れないように

あぁ玉虫色に光っていた君は

梅雨の雨に流されて透明になった

もういちど、もういちどだけ

君を染められたのなら

今度こそは君の小さな手離さず

大切に抱きしめていたい

君の髪が黒から白に

かわっていったとしても

瞼の裏に残るベージュの面影が

焼き付いて離れないように