Tekst Utworu
再開発進む街 隣のアベニューは
砂塵に褪せて
灰色に燻った 温い旋風が
うねりただ 通り抜けてゆく
かつての面影残すビル 七年越しに
懐かしさ不意にこみ上げ 足向けてみたの
いつか入り口に置いてきた 遠い日の約束
もう一度 確認したくて
必然だと思ってた 全ての風景は
蒼く色付く記憶の レトリックね
随分と長いこと シャッター下りたままの
うらぶれた本屋の入り口で
渡しそびれた時計取り出し 右肩小さな螺子
逆さにゆっくりと巻いてみるけれど
瞼の裏描き出すのは 君の居ないバス停と
背もたれ外れたベンチだけ
分離帯 植え込みの緑 眩し過ぎて
少し気後れする私を
日陰に咲く蛇苺 何か言いたそうに
じっと見ている気がした
変わり行くものは変わらないものを やがて飲み込んで
さも必然というように得意顔
私たちの帰るべき 温かな明かりもまた
いつかそこが居場所になる日が来るとしても
失われて忘れ去られる 泡沫の夢のランプ
時々は何処かに 燈すの
Written by: フレネシ


