みもふたもないうた

死んだみたいに眠る　きみの髪の毛を

十本ずつひっぱって　はげあたまにしちゃおう

好きだよ　きみが　はげあたまになっても

好きだよ　きみが　ぼくとおなじくらい　はげあたま

死んだみたいに眠る　きみはほんとうは

眠ったみたいに死んぢゃってるかもしれないかもしれない

好きだよ　きみが　ぼくがぼくでなくっても

きみが　きみの　かたちでなくっても

あしたになったらまた　お茶をわかすの

やかんの取っ手を握って　あちちって離しちゃうの

きのうの　おとといの　その前の日の台所で

おんなじことしてる　ばかなひとがいたよ

死んだみたいに眠る　きみの右目を

べろでべろって舐めて　ああかなしい海の外

好きだよ　きみが　何億年あとでも

おもいだせるよ　つめたいてのひらも

夜があけるよ　にわとりが騒いでるよ

好きだよ　きみが　あああああああ