夜風

もう思い出せないや

滲む照明灯

刻む風花の様な

色づいた夜風吹く

曇る窓 動く山嶺に

遠く 何処かも知らず

微睡みは爆ぜる

冷たさの隙間に

夜明ける継ぎ目を舞う

放る 視線は流れる

窮屈さに踊る

悴む指先 さも気怠げな瞼閉じる

思い出せないかい

朧げに覗く様な

何処でもない 意味を掬う

迫る鼓動 轟く雷鳴に

徹る 想いは崩れず

あの夜を逃がす

移り行く景色に

響く波 まだ変わらず

覆う 巡りは続いていく

憂鬱さを小突く

味わう手触り もうこのままでいて

駆けていく記憶に

まだ襲われる乱反射に

戸惑う内側から

気づけば淡く溶けていく

どれだけ馴染む体温も

綴れば線になる様で

重ねて忘れて