夕食ピーマン

チューインガムを噛みながらフライパンを火にかけ

 上の空で油ひいたら少し多すぎた

 最近けっこう痩せてるからと僕は僕の手首見て

 自分のためにカロリー計算してる

 君のこと考えながら今夜も

 ひとり分の材料でフライパン操るよ

 まるでフライでも揚げてる感じで

 油のプールをピーマンがはぜてる

 なんだか僕に楯ついてるみたいだね

 それならと僕はサイバシでプスリ狙ったら

 逃げられた

 トーンダウンしたピーマンが今の自分みたいに

 少し炒めすぎたらしなびてしまった

 なんてことないこのぐらいがいちばん美味しいと

 気がついたら自分をまた正当化してる

 とてもビビッドなグリーン携える予定だった

 今夜のディナーままったくくすんでる

 毎日毎日が自分との戦い

 昨日のタマネギもとても目にしみた

 ときどき少し苛ついている心は

 それでもオイシイと思っている気持ちに救われる

 君のいない今日もとりあえず生きてる

 あたらしい誰かのカロリー計算するときまで

 そしてときどき夜に少し泣いて（もちろんタマネギでっっ）

 多分君のこと考えながらピーマンと戯れる