Floating Point Number

静寂はいつも心の隙間を捲って

昨日の言葉をテープディレイみたいに繰り返している

片道切符の光の反射を映して

電磁波の波に心の破片を乗せ換えている

僅かな痛みが　気付かない意味が　平面座標に加算されていく

数値化できない胸の塊は　指数関数　制御不能みたいだ

割り切れない世界　計算した未来　処理されたエラー　近似された心

光さえ光子の波なら　目に映る色　書き換えてよ

今　君が　選んだ答えには

切り捨てた値があるのだろう

揺れ動く小数点には

二進数の　愛が隠れているよ

暗闇はとても　私の心に似ていて

昨日の涙を　鏡のように　映し出している

微かな温度が　静かな吐息が　冷たい空気に発散していく

言語化できない　違和感にも似た誤差の範疇が消えない

今部屋の中に　青い月が昇る

凍り付く　不連続な未来　錆び付いて

まだ部屋の中に残る　 あなたの温度が

凍り付く私の涙を　溶かしている

割り切れない世界　計算した未来　重ならない値　否定された心

感情さえ観測誤差なら　君の記憶を書き換えてよ

今　 私 の選んだ答えには

切り捨てた何かがないのだろう

諦めた小数点には

二進数の　愛が隠れているよ

君の残した言葉

私の無くした心