この街の亡霊

夜の街を駆ける僕は君を捜すけど

街灯の明かり 辿って来たものの迷ってしまった

痛みの無い体で 長い間彷徨って 全部忘れた

どれだけ長い夢を見たんだ？

月はまた落ちていく

「神様、僕は思い出した！」

解れた糸を手繰る様に

壊れた次の日の朝は

空っぽのコーヒーカップを覗く

突き抜ける壁の向こう側は

何も変わりはしないのにね

錯覚した 現実と空想の境界はどこだ

亡霊になってまで 見ていたい景色があった

それは悪い夢さ

月はまた落ちていく

夜の街は黙り込んでいる

もう何も問わないさ

「神様、全部思い出してしまった！」

糸が絡まって記憶を包んで

朝食の香りが眠りを覚ましてくれるのに

あと少しだけ眠らせてよね