春だから、君は手を離したの?

最後に触れた手のぬくもりが、まだ消えない

もう会えないのに、手だけが残ってる

君の背中を見送ったあの日

寒い風が吹いていたのに

手のひらだけが、あたたかくて

それが、最後の記憶になった

手を離すのが怖かった

でも離さなきゃいけなかった

君の目を見たら、泣いてしまいそうで

うつむいたまま、バイバイした

最後に触れた手のぬくもりが

まだこの手に、ちゃんと残ってる

時間が過ぎても、春が来ても

あの瞬間だけは、色あせない

それが、君だった

手と手、指と指

すこしだけ、震えてた

"好き"の代わりに、あのぬくもりを

私は今も、離せない

春だから、別れたの？

新しい生活があるから、君は手を離したの？

……今は悲しいけど、

その経験は、きっと私を強くする。