暁風

小さな部屋の中で

 この世界に耳を塞いで君と二人で

 心を耳に委ね

 どこにだって行けるだろう

 根拠は無いけど

 空が泣こうが夜が覆おうが

 わからずやに指差されても

 気に入らないこと　言えやしないよ

 代りに此処で叫ばせろ

 吹き抜けていった暁風を追いかけて

 昨日の影を振り切る間もないくらい

 駆け抜けていくんだ僕ら行く宛も

 ないままに今日を生きて

 光を探している

 小さな箱の中で

 「1人」と手を繋いで何人ぼっちだ

 思うように跳ねれば

 寄り添ってくれるだろ　姿は無いけど

 空は赤色　泣き腫らしたような

 その両眼に焼き付けてみろ

 気に入らないことじゃ腹は膨れない

 怖いなら音に任せろ

 吹き抜けていった暁風に身を任せ

 僕らの声を合図に非日常を

 掴み取りに行くんだ

 つまらない脚本は燃やして

 糧にしてしまえばいい

 決して強くはない　決して弱くもない

 生きていたくないだけ

 幸せのニュートラルポジションを

 時々睨んで忘れてやらなければいい

 吹き抜けていった暁風を追いかけて

 奴らにはわからない僕らだけの

 秘密を謳っていこうぜいつまでも

 鳴り止まない思い出を

 刻みつけて忘れないように