バンテージ

曇り空がおとす影から影へ歩を進める日々

べたつく肌に絡まる思考

巣から落ちたちいさな弱々しい亡骸

見たこともないあいつが憎い

切りすぎた爪に滲む意地

半端者が突き進むこの道

ブラックアウトすれすれ

縫い込むnight after night

こま送り抜きとってスイッチ

落ちた汗に映し出されるのは誰の顔よ

Hand to hand 焦がれた鈍の空

Hand to hand はぎ取り拳で突く

叩きつけられた頬

跳ね上がってがむしゃらに笑って

吹き出した負の影を

吸って吐いて武器に変えて

鼓膜にはりつく声と突き上げられた拳で

もういちど飛び上がれる

蹴り出すステージ　吸いつく脚

幾度となく俺を殺し生き返らせる

抱えても　抱えても　抱えきれぬ程の

ふさいでも　ふさいでも　止められぬ程の

枯らしても　枯らしても　決して枯れぬ程の

何かが　俺でお前だった

Hand to hand 目眩す白い光

Hand to hand 重なり合った古傷

Hand to hand 半透明の肖像画

Hand to hand ぴったり合わさり色をつけた

風切音にさえ色がつく

報いるも　報われるも　明日来る報せ

いまは只　渦を呑み　 闘うだけ

Hand to hand 受け継ぐ赤い誓い

Hand to hand 刻み込む　鈍ささえも

Hand to hand 幻ごと掴みかかる

Hand to hand 夜明けをつくる光