デジャビュ

”もしあの時に戻れるのなら

出て行く君を追いかけてたかな？

なんて使い古されたJ-POPの

お決まりの出だしみたいで馬鹿らしい

そんな馬鹿が今の僕だったら

君の所為にはできやしないよな

なんて恋を拗らせたドラマの

役柄みたいなヒロイン症候群

ああ 君が溢れてゆく

僕ら何回だって恋をして

僕は後悔だらけのキスをするんだろうな

呼吸の隙間に君を思い出してしまうことになる

君が何回だって手を伸ばして

抱きしめようとしてくれた手を払って

全てが僕の人生のどこか遠くでデジャビュする

もしもし、君の方はどうだい？

とか気にならない フリも限界

あの夜から千回くらい

なんとかして 君の声が聞きたい

ちょっと貸して 君の想いが知りたい

僕だけが知ってるはずのラブサインと

僕には聞こえない君のタイムラインと

あの夜のストーリー

限界ならとうに

”もし、あの時に戻れるのなら”

君が溢れてゆく

僕ら何回だって恋をして

僕は後悔だらけのキスをするんだろうな

見つめ合うたびに君を思い出して目を伏せてしまう

君が何回だって手を伸ばして

抱きしめ合えたはずの未来を奪って

全てが僕の人生のどこか遠くでデジャビュする

愛してない もう待てない

を覚えてないくらい巻き戻しては

最低な そう最低な記憶の中で

また恋に恋をしてる

君がどうなったっていい

僕は何回だって恋をして

いつか後悔すらも忘れてくんだろうな

呼吸の隙間で君を思い出してしまうこともない

それを何回だって繰り返して

君の残像が幾重に重なろうと

消えてはくれない 人生のどこか遠くでデジャビュする”

愛がなんだ

恋がなんだ

実は全部台詞で

ここからここまでがフィクション

鳴り響くアクション

愛がなんだ

恋がなんだ

かからないカット 変わらないシーン

あの日と同じ言葉で描く

結末が僕の人生のどこか遠くでデジャビュする