क्रेडिट्स
PERFORMING ARTISTS
KATARI
Performer
COMPOSITION & LYRICS
Shinichiro Kamio
Lyrics
Takehiro Mamiya
Composer
गाने
平成七年の冬、私は遊ぶことに取り憑かれていた。
その日も例にもれず、クラブで爆音に身を晒し、
女の子に声をかけてはフロアを行ったり来たりしていた。
西東三鬼 今日 従野いちに 復興の果て
得体の知れぬ巨大な怪物がうねり声をあげ、
はるか彼方より地下深くをものすごいスピードで
近づいて来たかと思うと、
どーんと地表を突き破って現れたかのごとくだった。
私と女は、大男がつまんでいたずらにゆすってみせる
マッチ箱の中に入れられた小人さながらだった。
折れそうに細いヒールを見て、
私はその先で鋭くつつかれた心持ちになった。
電車でわずか数十分の距離に
いかほどの隔たりがあるのか。
月の出の生々しさや 湧き立つ蝗
岩山の蟻に運ばれて 蝶うごく
かつてと変わらぬ日常が流れていることは当然罪にはあたらない。
ただ実体験の欠損に基づく無理解は、
悪気がなくともひとを傷つけることがあるのだと思い知らされた。
とはいえ、破壊せんとするときに初めてその変わり果てた姿、
日常であるかのように錯覚していた非日常は、
目の前に立ち上るのだ。
カレンダーには赤丸で予定が記され、
朽ち果てたコンビニ袋の中にはペットボトルが
入ったままである。
私は彼女に会いたいと思う。初めて声をかけた時の、
煙草をふうと夜明け前の空に吐き出した、
彼女の姿が思い出される。
恐れを知らぬ少女の、出窓と共に地面に
叩きつけられていたかもしれぬ、
しかしそれをまぬがれ、知り合ったばかりの私の後を
のこのことついて来た彼女の姿が。
月の明るい晩だった。
私は彼女の言葉を聞きながら、アスファルトの上の、
初めて見た月光による自分の影を見ていた。
それは交わりはせずとも離れもせず、同じスピードで、
彼女の影と並んで坂道を登っていくのだった。
月の出の生々しさや 湧き立つ蝗
岩山の蟻に運ばれて 蝶うごく
黒き蝶 ひたすら昇る 蝕の日へ
Written by: 神尾晋一郎

