Dari

Lirik

2018 外の天気は スタジオに窓が無いので はっきりとわかりませんが
ヘッドフォンを外すと 雨のようなノイズ音
今 明かりを消し ブースを真っ暗にし 椅子に座っています
目が徐々に慣れ始め マイクを捉え 決意固め 打ち明ける 思いの丈
テレビからは先に売れた友人の声
知ってる? 妬むと体が熱くなるんだ
耳をふさがずに平静を装うのが
唯一できる強がりという 情けない弱さ
音楽を始めた頃のテレビのスターは
皆俺よりも年上の人たちばかりで
俺も歳を重ねれば そこに行けると
階段を駆け上るイメージ 日々はめくりめく
この前酔っ払って行ったカラオケ屋で
ヒット曲を歌う本人映像のYUKIが
俺よりも遥かに年下で
売れんならもうとっくに売れてんかな と急に弱気になる
神様 俺に下積みをテーマにした名曲を書かすために
今の環境に俺を置いてんすか?
何杯目かも アルコールが入ってんかもわからん
ウーロンハイを飲みながら 痛い妄想に耽る
「これだけは聴いとけ! 日本語ラップ100選」
オファーを受けた記憶などは一切無いが
持ち前の自意識からパラパラとめくり
自分の名前発見できず 「クソ雑誌が」と閉じる
インタビューに友達が答えてて 「俺の名前出してへん?」
顔から火が出るほどのスケベさ
ちゃうねん 俺は俺やから俺がいつも見えてるだけで
人から俺なんて見えてないねん
「この子 僕の知り合いで アドレスも知ってて
何回も飲みにだって行ったことあるんすよ」
「ラップをやめる」っていう台詞以上に
「ラップをやめる」って言葉があるとすれば きっとそれがそうだ
後輩のラップに"俺っぽさ"を感じ
それを密かに支えにしてる自分は惨めだ
出発点をいちいち気にしてるのは
どこにも辿り着けていない負け犬だけだ
書き始めは 今でも緊張する
曲ができた時は 今も奇跡のように思う
リハで初めて自分のオリジナルトラックが流れた時の
胸と箱の中を揺らす振動は きっと
ジャンキーを偽れば ナメられん と案じ
瞬きを我慢し 目を赤くしてクラブに
18 XL 知った顔でジーマ
あの頃に出会った先輩らが今も好きだ
よく過去を愛すことは愚かなように言われるが
俺は恐れずに愛したい
未来の方もいずれ自分もなる過去を愛せない人の
愛情を素直に受け入れるだろうか
あの恐怖に満ちたステージに帰るのだ
ここまで勝手にライブを休止しといて
今更「待ってる人のため」だなんて言わない
部屋でできることの天井に当たったのだ
なんで作品出してんのに ライブしてないってだけで
引退した空気が流れるのかがわからない
生で伝えてこそ 生って要素を足さな
震わせれんリリックってだけなんとちゃうん?
夢のために生きる日々が長く続くと
いつからか 夢を盾に日々を生きてしまい
年齢は引く理由になると同時に
引くに引けん状況も作り出すから やっかい
同窓会で昔 「音楽の方はどう?」
と気を遣って話題振りをしてくれた友達が
今じゃ気を遣ってその話題にならんようにしてる
そんな時にわかりやすい成功に飢える
お前らが芸人やった時に いっちゃん残ってる思い出って何?
その思い出に勝てよ
やめたんじゃないやろ? 色んな要素重なって
夢中になれるもんを変えただけやろ?
なんであれが売れんねん! 顔がええだけやん!
世間の無反応がまた物を書かせる
あらゆる世界で燻ってる人たちよ
「いいものを作ろう」
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