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沈む茜日 染まる坂道
つたう雫に 嬉しさ滲む
夜の帳の近付く音に
はしゃいだキミの声 ひとつ
空に響いた
稲荷の前で 待ち合わせ
連なる鳥居 くぐり抜け
鬼灯の甘い風 胸をすり抜けてく
踊ろうよ
廻れ 廻れ 手を叩いてほら
見様見真似で 輪になって
ぎこちない振り付けに舞う
袖はひらひら
踊れ 踊れ 手を取り合って
上気した頬 牡丹色
鳴り響く太鼓の音に 紅い果実 弾けた
キミに気付かれたかな?
響くざわめき 燃ゆる篝火
揺らぐ気持ちに 想い乗せよう
祭り囃子が 遠退く音に
天狼の星の雲隠れ
胸を突付いた
今宵 空には朧月
霞んだ心 誤魔化した
玉響に揺蕩いて
胸をすり抜けたら
目を閉じて
眠れ 眠れ 意識は透明
一夜一夜に募る想
月明り照らす花びら
散るは はらはら
哭いて 哭いて 流るるは雫
嫁入り前の小夜時雨
傘の外 狐日和に 袖の時雨 隠した
キミに気付かれない様に
天つ風 雲の通い路
閉ざし見ゆる 夢のまにまに
幾星霜 想い焦がれた
このひと時が 絶えません様に
ぽつり 願う
止まれ 止まれ 時間よ止まれ
夢の心地をご笑味あれ
狐火の狼煙に乗せた
心ゆらゆら
踊れ 踊れ 手を取り合って
軽快な歩調 水鏡
幸せの百鬼夜行に 連なる思い出たち
今宵 キミに幸あれ
Writer(s): オグラアスカ
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