Tsutomu

どこかの世界の片隅

まだ眠りの闇の中で

太陽を置き去りにして

きみは街を駆けてく

朝から晩まで働き

ジャージに着替えてまた駆け出す

無人のオフィスビルのガラスは

きみだけのショーケース

きみの努力が水だとしたら

砂漠にさえ海を作るだろう

それでもまだ続けるのかい？

「楽しいんだ」って

きみは笑った

楽しむ奴には敵わない

進めどこまでも

見ているだけでこっちまで

頑張ってみたくなるや

報われないと嘆く時間ももったいないんだろう

きみにはその笑顔が似合うな

オーディションを受けた数ならば

在来線の駅より多く

受かった数だけでみたなら

鶴見線にも負ける

きみの努力が降り積もるなら

エベレストさえ丘に見えるだろう

それでもまた続けるのかい？

答えのかわりに

きみは駆けてく

白星だけの夜空では味気ないけれど

黒星が埋め尽くした夜に星は輝く

報われないと嘆く時間も

もうすぐ終わるだろう

世界もそこまでバカじゃない

世界中の片隅にいるすべての人よ

世界中の誰かが信じ見つめているんだ

ひとりぼっち人知れずに続けてるきみよ

僕にはきみの笑顔が必要