モノノ怪恋慕(れんぼ) (幽幻ロマンチカ 主題歌)

花弁の舞い落ちる随(まにま)に

二人の戀(こい)、花吹雪　アッチコッチ彷徨(さまよ)って

貴方、其(そ)んな顔は止(や)めて

私何処(どこ)でも追(つ)いてくわ

何故に其の横顔、霧の如く煙(けぶ)らすの

そりゃあ私だってさ、濡らす袖足りない

一夜(ひとよ)、あの一夜に胸を這った指先が

誰より良かったの　他のどんな"人"よりも

ねえ、貴方の真(まこと)が何だって構わないさ

一緒になれないと知って尚惚れたなんて、私が、阿呆者(あほうもの)

惚れた腫(は)れたは浮世の常でも此(こ)んな

奇っ怪卦(け)っ体な哀しき御縁が在りましょうか

花弁が乱れ咲く合間に

秘密の戀、影日向　そっとそっと紛れて

貴方、此のまま逃げようよ

二人の愛も咲かそうよ

春の夜の夢の浮橋とだえたかしら

でも目覚めてみれば、貴方は側に居る

深く、もっと深く溶けるほどに絡み合い

もう解(ほど)けやしない　この身こそが紅い絲

ねえ、其れが仮初(かりそめ)の愛でも構わないさ

惚れた弱みに浸(ひた)されて、それでもう、倖せだから

夢芝居なら起こるはずの喝采(かっさい)の

一切合切が無くても貴方が居ればいい

雨空(あまぞら)が翳(かげ)りゆく片時(かたとき)

冷たい雨、春時雨　じっとじっと濡れたって

それじゃこの火は消えないよ

二人の愛は燃えている

泣いて泣いて泣かされ　妖し恋慕

でもずっと一緒(そば)に居たいよ

そう言うと貴方は口を塞ぐのね

その冷たく優しい　口付けで

花弁の舞い落ちる随に

二人の戀、花吹雪　アッチコッチ彷徨って

貴方、どうか離さないで

地獄(このよ)の涯(は)てでも憑いてくわ

永久(とこしえ)の桜など無くとも

二人の戀、満開にどうかどうか叶えて

貴方、手を取って頂戴(ちょうだい)な

花道をさあ行きましょう

花弁がまた舞い落ちる