みにくいさなぎ

みにくいさなぎと呼ばれたあの子は 何を思うかな

みんなはあの子の痛み 覚えてるの

教室は土の中みたいに冷たい 真っ暗で息さえ出来ない

これが夢ならば 早く覚めてしまいたい

あの子の願いは いつ届くかな いつ届くかな

みにくいさなぎと呼ばれたあの子だって生きている

みんなはどうして あの子をみにくいさなぎと呼ぶのかな

なによりもあの子は祈るよ 傷つくのは自分だけでいい

だから 耐えて 耐えて 生きているの

土の中 あの子の命は咲いてた ここには花瓶やプランターさえないのに

ただただ青い空に 思いを馳せるだけ

あの子の願いは いつか叶うよ いつか叶うよ

みにくいさなぎと呼ばれたあの子は 空の眩しさを

まだ知らない だってそれは時が来たらわかるでしょう

なによりもあの子は祈るよ 過ちを繰り返さないで

だから 強く 優しく 生きていける

みにくいさなぎと呼ばれたあの子の命の火は灯り

さみしい誰かの夜を照らす蛍になるのでしょう

なによりも健気で小さく美しい命でしょう

今、幸せですと微笑むあの子がいた