エチュード

「調子はどうだい」

星が消えたら耳をすます

遠くではしゃぐ声が

いつのまにか消えたら

簡単ではないことに名前はまだつけず

語り継がれるべきことを

語り継ぐ準備をしよう

板の間に何か落ちていると思ったら光だった

今日も動かない体を流れるのは

あなたのおせっかいと

薄曇りの故郷の空

偶然などない

そう思うことで何度も

救われて間違えて

もう跡形もない夢

板の間に何か落ちていると思ったら光だった

僕らが辿り着けないところに

最後のメロディが鳴る

惨めで美しい残された日々に

季節はまた訪れる

「調子はどうだい」

逃げ出した心はきっと

見つかりっこない場所で

許されているのだろう

そんなつもりじゃなくても未来はいつか

せわしない現実と見分けがつかなくなる

世界中の見張り番に目隠しをしてどこへ行こう

作りかけの歌が湖の底で新しい揺らぎを待ってる

言葉よりも先に生まれた想いはいつまでも失くせない

ああ 練習通りいかねぇ

何もかも大変

まるで僕らって

宇宙のエチュード

僕らが辿り着けないところに

最後のメロディが鳴る

退屈で誇らしい残された日々に

静かな光が差す

悔いのないように

生きるなんて無理

月のない夜に

ただ通りすがり

すれ違うだけの幻

愛おしいエチュード