その日

ゆらめいて 今 光ってたのにもう見えない

言わないで ほら 眠ったら忘れてしまう

 

夢でみた 彼らへ宛てた手紙の全部

懐かしく 今ではなぞるだけの微熱

 

その日は朝に雨 古びた駅の前で

笑った君のスニーカー 見つめた

 

思い出の 島へ いつまでも泳いでいたい

時の矢を 駆けて あの頃の家に帰りたい

 

そこにある全てに

ずっと鍵をして生きていく

未来はもっと前にも見えて

 

砂漠の夜を踏みしめて 言葉を探して

なくした眼差しで 新しい街へ

 

その日は朝に雨 古びた駅の前で

笑った君のスニーカー 濡らしていたけれど

その日は朝に雨 冷たい手を振って

遠ざかる灰色を 見つめた