The Story You Compose

東武伊勢崎線にある喫茶店

僕等は一つの会話もなく本を読む

花火が弾けるように感動を口にしては

また黙りコーヒーを口に運ぶ

シチリアンキッスのカクテルが飲みたいわ と言うのは

江國を読む君

永遠などない

だからこそ人生に愛おしさを感じるのは

重松を読む僕

時々考えるんだ

君の読む物語に素敵な人は出てくる？

こんな人物やや恋が素敵だって思えるお話はある？

時々思うんだ

君が読む物語に僕は登場するのかなって

そんな想像をしながら僕は短い希望、

即ちショートホープにこっそり火をつける

毎日夜眠る前に 読みかけの本を閉じるように

毎日毎日を大切に閉じてこう

君が詠む物語 ようやく僕が出てきたところ

吉祥寺のなんのことはないチェーンカフェで君は本を読む

僕は〆切に追われながらイヤフォンをしてmacを夢中で叩いてる

君は目に涙をためている

僕はそれに気付かない振りをしている

だってきっと君の詠む物語に僕は今必要ないだろ？

最近気付いたんだ

僕の書く曲に 君はいつも出てくるよ

君の読む物語に僕は出てきた事がある？

最近気付いたんだ

人知れず流す君の涙

世界一美しいものは意外にもこんなに近くにあったんだなぁて

ちょっと大袈裟かなぁ

毎日夜眠る前に 好きな本を読み聞かせるように

毎日毎日を優しく語ってこう

ずっと側にいてね ようやくそれが叶ったところ

毎日夜眠る前に 読みかけの本を閉じるように

毎日毎日を大切に閉じてこう

君が詠む物語 ようやく僕が出てきたところ