落日

夕日が落ちる…… 夕日が落ちる

十四のあの日あたしが

哭きながらみつめた 落日だ

あゝ花を無惨に ひきちぎり

口笛吹いてた 豚野郎

あれをさかいに あれをさかいに

笑うことさえ 忘れてる

椿が落ちた…… 椿が落ちた

十九になった あたしが

すてばちに引いてた 紅いろだ

あゝ甘い汁だけ 吸いつくし

寝煙草すってた 豚野郎

そうよあれから そうよあれから

涸れたまんまさ 泪壷

線路が光る…… 線路が光る

生きてることが めんどうで

なんとなく立ってる 踏み切りだ

あゝいつもあたしの 人生を

土足で汚した 豚野郎

きっとあしたも きっとあしたも

ひとりたどるさ けもの道