Romance

秋風と共に染り出した

茜色の夕空が

夜の始りを知らせれば

街にネオンが灯り出す

僕は煙草に火をつけて

また汽車に乗って 次の街まで

コートの奥に忍ばせた

ろまんすが一人呟きます

声が聞える あの娘の声が

微かに 微かに

あぁ このやるせなさよ

何を待つのか プラットホーム

速さを競う人の中に

ぼんやり立ってる僕は

昨日の出来事を想い出してる

眠ってる街を歩いた二人

腕の中で すくんでた君

でも忘れっぽい僕の事

また何処かへ置き忘れてしまうかもね

声が聞える あの娘の声が

微かに 微かに

あぁ このやるせなさよ

何処を向いても薄っぺらな

薄っぺらな やさしさの毎日

そうして僕もこのまま

ペラペラな老人に成るのだろうか

だから僕はまた汽車の中へ

次の街まで 汽車の中へ

もみ消す煙草はろまんすだ

くすぶる煙りが名残りなんだ

声が聞える あの娘の声が

微かに 微かに

あぁ このやるせなさよ

「ねぇ 待ってくれるかい

僕の友達よ

待ってくれるかい…… (シャンソン)より」