Utsusemi

閑散と廃る夜

 土砂降りの日は減った

 ムンムンと茹だる様

 朝にでもセミは鳴くだろうか

 簡単に冴える脳

 でも身体は朦朧だ

 だんだんと晴れるよ

 ため息は湿気に溶け込んだ

 淡々と歩くよ

 どこか遠くへと行けそうだ

 夢見てた日々も

 どこか遠くへ消えた

 美しい僕らの青春を奪わないでくれよ

 醜い孤独を飼い慣らして

 美しい僕らの青春を奪わないでくれよ

 醜い孤独を飼い慣らして

 缶ビールのゴミ

 Uber Eatsの食べカス

 消したディスプレイに映ったのは

 物憂げな顔した僕

 何もかも 奪われちまったから

 批判的になるんだろう

 愛の園 のアダムとイブさえも

 加害者であり被害者だ

 きっと試されている

 しんどい日々の中で

 どれだけ強い 思いを持って

 明日を信じていけるのかを

 美しい僕らの青春を奪わないでくれよ

 醜い孤独を噛み殺してよ

 僕らの青春を

 僕らの悲鳴を

 僕らの運命を

 僕らの…

 セミのように僕達も冬を越えられないかな

 この雷鳴は来年に届くかな

 誰かを否定する言葉ではなくて

 立ち上がる為の言葉を

 未来への声を

 僕らの青春を

 僕らの悲鳴を

 僕らの運命を

 僕らの歌を