Cassis Orange

少し汗をかいた君のグラスには

赤く輝くカシスオレンジ

君が口付けたグラスの淵から

あまりに綺麗な滴が見えた

ここには僕の知らない大人の君がいて

それでも話すトーンは変わらないまま

君は昔の僕を見るような優しい目をして

僕は慌てて誤魔化すように

煙草に火をつける

僕はグラスを早めに空けて

君と揃えたカシスオレンジ

グラスの氷が溶けて薄まった

赤い色は君の手を引いた夕焼けみたいだ

隣に座る君の横顔は やはりあの日のまま

それでも僕に微笑む姿は綺麗になってた

ここには僕の知らない大人の君がいて

それでも話すトーンは変わらないまま

君は昔の僕を見るような優しい目をして

僕は慌てて誤魔化すように

煙草に火をつける