Credits
PERFORMING ARTISTS
BLUE ROSE
Performer
COMPOSITION & LYRICS
Taishi
Composer
Lyrics
病院の白いドアを開けると
白い部屋のなかに
白い服を着たあなたが眠っていた
おばあちゃん
あなたの故郷函館は12月
今日は白い雪で染まるだろう
今夜白い鳥となって
北の海へ旅立つのですか
家族が選挙で
僕が一人留守番のときに
ハンバーグを作ってくれた
僕のお父さんに作って以来
だと言いながら
夜になったら
お父さんの当選を願いながら
一緒にお月見をした
お団子を食べ終わって
眠ってしまった僕に
おばあちゃんは
お布団をかけてくれた
おじいちゃんが癌を患い
歩けなくなってからは
3人でよくごはんを食べた
おじいちゃんとおばあちゃんは
よく喧嘩をして
僕を困らせた
おばあちゃんは辛いことがあると
大声で叫び
悲しいことがあると大声で泣いた
喧嘩相手のおじいちゃんが
いなくなると
急に静かになった
若くて綺麗だったおばあちゃんに
おじいちゃんが
「パン屋の場所はどこですか
わたしと買いに行ってくれ」
と初めて声をかけたのだと
仏壇の前で僕に自慢話をしていた
10年ぶりに
おじいちゃんと会ったなら
また大声を出して
喧嘩をするのですか
大学を出た僕は家を出て行った
母親と口もきかなくなった僕に
「天国のおじいちゃんも
見守っているから心配ない」と
励ましてくれた
死んだおじいちゃんの誕生日には
一緒にケーキを食べた
おばあちゃんは
いつも忘れていたけれど
あなたは毎年よく覚えているものだ
と褒められた
おばあちゃんは
ショートケーキが大好きだった
おばあちゃんが倒れて病院に入ると
コロナの時代がやってきた
家族も面会できない病院の中で
命にしがみつく
最後の戦いがはじまった
ショートケーキが食べたいと
毎日お医者さんを困らせて
2年9ヶ月の病院暮らし
仕事がうまくいかなくて
死ぬことばかり考えてしまう僕に
命の尊厳を身をもって教えてくれた
僕は仙台で危篤の知らせを聞いて
東京行きの新幹線
あなたの病院に向かった
病院の白いドアを開けると
白い部屋のなかに
白い服を着たあなたが眠っていた
おばあちゃん
あなたの故郷函館は12月
今日は白い雪で染まるだろう
今夜白い鳥となって
北の海へ旅立つのですか
白い布団の中のあなたの白い手は
冷たい僕の手よりもまだ暖かい
ショートケーキを食べられるね
今夜からは
あなたの故郷函館は12月
今日は白い雪で染まるだろう
今夜白い鳥となって
北の海へ旅立つのですか
Written by: Taishi